第四話

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第四話

  ◆◆◆◆◆ 「プリティーシャボン~~~アターック!!」  真波の大声と共に、突如リビングに大量のシャボン玉が舞い散る。  キッチンで華に届ける為のおかずをタッパーに詰めていた航汰の傍までそれはフワフワと飛んできて、航汰は慌ててタッパーを避けた。 「こら、真波! 部屋ん中でシャボン玉は駄目だって言っただろ!」 「だって、『プリティーシャボン』はどこでも敵をやっつけるんだよ」 「ここにはやっつける敵は居ない!」  航汰に注意された真波が、不満げに頬を膨らませて渋々ソファに転がった。その前にあるテレビでは、録画してあった真波のお気に入りアニメ『プリティーマジック』が流れている。真波くらいの歳の女児たちから絶大な人気を誇っている、魔法少女アニメだ。  真波の言う『プリティーシャボン』は、そのアニメで今週から登場した新しいキャラクター。真波の大好きなシャボン玉を大量に発射して敵を浄化する、『プリティーシャボンアタック』という技を使って戦うキャラクターで、真波はそんなプリティーシャボンに一目惚れしてしまっていた。 「ねえ、にーちゃん」 「なんだよ?」     
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