星の子

14/17
前へ
/17ページ
次へ
 「私は魔女だよ。その森の奥に住んでいる」 「魔女?」 「そうだ。今、お前を縛っていた縄を触れずに解いただろう? 魔法という特別な力が使えるのさ」 「……おとぎ話の中のことだと思ってた」 「現実に存在するんだ。お前が見ている、私のようにね」  魔女は淡々とそう言った。  それなら、と私は尋ねた。  「人の望みを叶えたり、そういうこともできるの?」  魔女は無表情のまま答えた。  「……願いにもよるが、出来ないことはない」 「欲しいものがあるんだけど」  私の言葉に、魔女はしばらく黙っていた。  しばらくして、魔女はようやく口を開いた。  「それで? お前が欲しいものは?」
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加