星の子

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 言われた通り息を吹きかけて、冷ましてから口に運ぶ。  野菜の甘みが出ているスープはとても美味しく、何より、食べ物が温かいということはこんなに素晴らしいことだっただろうか、と思った。  パンを千切ると、中からはふわぁっと湯気が立ち、甘い香りがした。柔らかく香ばしく、今まで私が食べていたものは本当にパンという食べ物だったのか、と疑問に思うほどだった。  今までの食事は粗末なものだった。  冷え切って固く乾いたパンと、時々はスープが出されたが、それも冷たくて味がなかった。そんなものが一日に二回、ほんの少し与えられるだけだった。そんな食事を長く続けていたから、いつの間にかそれが当たり前になってしまっていたのだ。  食事を終えると、魔女は簡単に家の中を案内してくれた。  入り口から入ってすぐが食事をする大きな部屋、その隣が魔女の寝室、短い廊下の奥には魔女の仕事部屋があった。  仕事部屋には絶対に近付かないように、と魔女は言った。危険な薬品や貴重な品物がたくさん置いてあるからだ、と説明を付けて。  二階には部屋が二つあり、片方は物置だった。  もう片方の小さな部屋には簡素なベッドと机が置かれていて、好きに使いなさい、と魔女は言った。私は自室を与えてもらった。     
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