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それから一階に戻り、私をもう一度テーブルに着かせると、魔女は紅茶という良い香りのする温かいお茶を私に差し出して、少し待っているようにと言った。
魔女は私に立ち入りを禁じた仕事部屋に入り、直ぐに戻ってきた。
魔女は黒い布に包まれた、私の拳ほどの小さな塊を持ってきた。
魔女は私の正面に座って、私に力を授けるために、これから毎晩これを飲んでもらう、と言いながら包みを開いた。
それは何かと問えば、魔女は星の欠片だと答えた。
包みを開くと、淡く輝く、ごつごつとした円形の、青く透き通った塊が出てきた。
魔女は小さな鋭いナイフで、その欠片をほんの少し、削り取った。
細かくなっても、星の欠片は輝きを失わなかった。
私は美しいそれを眺めてから、何故それを飲むのかと魔女に尋ねた。
魔女は言った。
魔力は生まれ持っていなければ、外から取り入れるしかない。一度にたくさん取り入れると、身体が魔力に耐えられずに朽ちてしまう。だから毎日少しずつ、時間をかけて、身体に馴染ませていかねばならないのだ、と。
生まれつき魔力を持っていたという魔女と違って、私にはほんの少しの魔力も宿ってはいなかった。
魔女はさらに続けた。
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