星の子

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 星の欠片が完全に私の身体に馴染むまで、少なくとも三年は掛かる。そしてその間に、私の身体は段々と、人としての機能を果たさなくなる。瞳は透き通る青に、肌は煌めく白に、そして髪は、瞬く星の銀色に変わる。やがて、食事も睡眠も必要なくなり、最後には星に還る。  星に還るその間際、私は爆発的な力を手に入れる。その時、あの村全てを焼き尽くし、この世界から抹消できるだろう、と。  私は納得して頷き、星の欠片を手に取った。  今、自分の命を懸けたところで、私には人一人殺すことは出来はしない。  けれども、三年待てば、私はあの村ごと、この世界から消すことができる。  星の欠片はほんのりと温かかった。  飲み込むと、じわりじわりとその温かさが身体中に広がるのを感じた。  それから、魔女との共同生活が始まった。  魔女は私に名前を教えなかった。それから、私の名前を呼ぶこともしなかった。  私自身、私の名前は口に出せなかった。今は私のものではないから、簡単に口に出すことは出来ないのだと魔女は言った。  呼び名を尋ねても好きにしろ、としか魔女は言わなかったので、私は彼女を『先生』と呼ぶことにした。  先生は私のことを、『お前』、もしくは『星の子』と呼んだ。  私はこの星の子、という呼び名が嫌いではなかった。  先生はまず、私に生きるための術を教えた。料理や洗濯、掃除など、日常生活に欠かせない家事のことだ。     
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