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まず最初に断っておく。私はこの日記を書いた人間ではない。
私は全くの赤の他人だ。では何故私がこの日記帳を持っているのかというと…
ある日、私は古い友人から連絡を受けた。
私の友人は、警察官として働いているが、ある少女が事故で亡くなり、たったひとつの遺留品としてこの日記が出てきたそうだ。
その少女には身寄りが無く、その日記も当然処分されることになった。しかし、友人がこの日記を引き取ったんだそうだ。
どうせ私生活を覗きたいとか、そういう邪な思いがあったのだろう。
ただ、この日記が面白いらしい。そこで友人から読んでみろと、この日記を渡されたのだ。
今、僕はこの日記の最後のページにこの「後書き」を書き込んでいる。しかしこの日記を読み終わった訳ではない。後ろから読むのだ。
僕のこの趣味に対しておかしいと思う人は山ほど居るだろう。しかし、これは僕の大切な拘りである。
先に結末を見てから、そこまでの過程を逆に追って楽しむ。これは僕の昔からの嗜み方である。
映画も、本も、いつもこの方法で観て、読んできた。
日記を逆から読むのは初めてだ。ましてや他人の日記など、読むチャンスすら無い。一体どんなことが書いてあるのか、とても楽しみだ。
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