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私が冗談のようにケラケラ笑いながら言うと 「今の俺がそうだよ」 真っ直ぐ私の目を見て馨はそう言う 『そんなこと知っている』 心の中で呟いた エリートばかりがいるTIYは競争社会 少しでも油断したら、あっという間にお払い箱だ 気なんて抜けない 抜いた時は負けるとき あの会社にいた時はそんな事なんてこれっぽっちも思っていなかったけど、その枠を抜けた今、あの世界はある意味異様だった客観視することができる ワークアンドバランスなんて言葉を聞くけれど、あの会社では全く関係ないといつも思っている そんな事を言っている奴は、確実にあの会社の出世街道から振るい落されるから つまり、今ここにいる馨はまだ振り落とされていないという事になる
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