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「提案がある」 「提案、何の?」 「今、仕事で大口案件を抱えていて・・・上手くいっていないっていうか、軌道に乗せようと必死になっている」 あら弱音 馨にしては珍しい 「ふーん。大変ね」 「だから、仕事にパワーが行き過ぎてプライベートがボロボロなんだ」 「えっ、言っている意味がわからない」 「自宅に帰るのが午前様で、食事も昼しか食べていない状態」 「それ、やばくない?身体壊すよ」 「俺もそう思う。さっき、あゆみの作った食事を食べた時、泣きそうになるぐらい感動した」 あらっ、そんな大した物は出していないし、ほとんど手抜き料理 そう言われると、少し嬉しくなっている自分がいる 家事って全く評価されないっていうか、一人暮らしだから誰も何も言ってくれない だから喜びが倍増しているのかなぁ
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