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「だからこの案件が終わるまで、手料理を食べさせてくれない?週1回でもいいから」 私は○○ポの確認のことばかりが頭から離れなかったので、少し驚いている 馨も仕事に煮詰まっているのだろう 彼のこの悲壮感溢れる表情を見ると、嘘とは思えなかった 「それだったら、帰ってから食べれるようにタッパーに入れて渡すよ」 馨はコンビニ弁当とか苦手なんだよね だから食べないという事は理解した 「いや、そうされてもたぶん面倒くさくて食べないで腐らすと思う」 「つまり、温かいものを出してくれないとイヤってことね」 馨はコクンと頷く 彼は親の育て方が至れり尽くせりだったせいか、こういう事に機転がきかない つまり、家庭のように振る舞いをとめ求めているってことね 絶対マザコン・・・ 「でも、週1回ぐらいで大丈夫?昼だって満足に食べていないのでしょう?」 「昼はほとんどランチミーティングだからそれなりに食べているから大丈夫だよ」 1日1回だったその日の食事が、ランチミーティングで摂取? 味なんてわからないのじゃない? 同情してしまう
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