第3章 魅了する

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「どうかね。私のアイドル達は?」急に後ろでカメラを抱えていた男が、声をかけて来た。 男はカメラを置き、シルクハットを被った。 「あんた誰?」アズミがしらっと言うと 「あのなあ、何で忘れるかな?ミスターXだ!ミスターX!」と暴れそうになったが「あっと、怖い怖い」と下を見て尻込みした。 そして「お前達にプレゼントだ。これを見よ!」とワイヤーを手にした。 「これは他よりも径が細くてね。いつ切れるやもしれん。ふふふっ、さあ怖いぞう。恐怖におののくがよい。はーはっは!」とミスターXは馬鹿笑いをしている。 「あっそ」アズミはそう言って、ミスターXの向こう脛を蹴飛ばした。 「痛てっ!何すんだ?」とうずくまった。 すると後ろから「おたく関係者?駄目だよ暴れちゃ」とスタッフが止めに来た。 「馬鹿者!私は関係者だ!ほら、これを見ろ」とスタッフにパスを見せている。 ミスターXがスタッフと言い合っている隙に、アズミは径の細いワイヤーのベルトを、ミスターXに装着した。 「あれ?何だこれ」とミスターXが気付いた時「この人、飛びまーす!」とアズミは声を上げた。 するとスタッフ達が「何だ、あんた盛り上げ役ね。はいはい」と3人がかりで、ミスターXを鷲掴みにした。
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