第1章 デビュー

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私は階段を少しずつ登った。大きな歓声がステージから聞こえてくる。 「とうとうここまで来たんだ」私は震える手を握り締めながら、スポットライトに向かった。 1年前、私は普通の女の子だった。 すると街角で、声を掛けられた。 「あなた、アイドルになってみませんか?」 「はっ?」思ってもみなかった私は、興味を惹かれた。 「私はこういう者です」シルクハットを被ったおじさんが名刺を差し出した。 " 地下アイドル養成所 虎の穴 指導者ミスターX " と書かれていた。 「あなたには可能性がある」その言葉に私は、二つ返事で了解した。 それから虎の穴で、猛特訓が始まった。 体力トレーニングに発声訓練、ダンスに魅了する仕草と、あらゆるカリキュラムが組まれた。 私がくじけそうになる度ミスターXさんは「虎だ虎だ!お前は虎になるのだ!」と虎ではなく、アイドルを目指す私を励ましてくれた。 そして数いる訓練生の中で、トップを走り続けた。 そしてデビュー間近という時に、あの事件が起こったのだ。
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