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脱走者である。
苦しい訓練に耐えきれず、逃げ出す者も少なくない。しかし虎の穴は、そんな女の子達にも容赦なかった。
彼女達の両親に連絡を取り、法外な違約金を要求した。家族は借金に追われ、夜逃げした者もいると言う。
事実を知った私は、そんな虎の穴を許せなかった。
私はミスターXの部屋に呼ばれた。
「お前もデビューする時が来た。羽ばたいて行け!
アズミ!」
「嫌です!」私は叫んだ。
「何?何を言ってるんだ」ミスターXは動揺した。
「こんな酷い仕打ちをするなんて。私は虎の穴を出て行きます!」私の気持ちは決まっていた。
「くっくっく、そうか。では好きにするがよい。
だが虎の穴は決してお前を許さんぞ!潰してやる。
アイドルとして、ステージに立たせるものか。四角いジャングルで後悔するがよい。はーはっは!
はーはっは!」まだ何か叫んでいたが、私は好きにするがよいと言われた時点で部屋を出ていた。
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