一章3 『脳仕掛けの相棒』 ※挿絵有

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「出会ったのはシーエがボク等の住む街で、グーバスクロ兵と戦ってくれてるシーンかな。強烈に覚えてるのはシーエに頭の皮と頭蓋骨引っぺがされて、背中に収容された時の事。だって」 「いきなりグロいシーンからくるな…。その後でアルビから色々この国や世界の情報をもらってたから、ウチは助かったよ。今こうして生きていけてる」 「うむ感謝せよ」 「ははー」  幸いなのはウチの運命を握るこの小さな可動式脳みそ、アルビがとても馬が合い、親しみやすい子だった事だ。ウチ等は離れられない。だから一緒にいて気楽な相手というのは最高にラッキーだ。  アルビ側からはどう思われてるかわからんが。 「記憶が無くなることが分かったからその時点から慌てて日記を書き始めたんだよな」 「そそ。ボク焦ったって書いてある。とりあえずそのまま知ってる情報を一気に書いたみたいだね」  どうもウチの脳は既に壊れているらしい。臓器を動かす部位や反射神経は生きているが、人格や記憶を司る部位は完全に死んでいて、本来なら植物人間だとのこと。  それを救ってくれたのがアルビだった。  アルビが言うには、自分を救ってくれたのがウチとの事だけど。  アルビの脳にはアルビ自身とウチ、2人の人格と記憶が収納されており、アルビがウチ本体のポンコツ脳みそを思念魔力でハッキングし、ウチの人格と記憶を一時的に植えて動かしている。     
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