一章3 『脳仕掛けの相棒』 ※挿絵有

8/12
前へ
/739ページ
次へ
 思念魔力も稼働魔力も有効範囲があるから、アルビからある程度離れるとウチはその場に倒れて死ぬっぽい。範囲はだいたい10mくらいかな? 試すの怖いからやってないけど。  で、なんでウチの人格と記憶がアルビの脳内にあるのかというと… 「助けようとしたらしいよ。助けてもらったお礼に」 「軍人である、ウチを」 「そう。ボク等の街が攻撃されて親しい人たちがどんどん死んでいく…そんな中シーエはボク等を守って戦ってくれたんだって」 「ほーん」 「めっちゃ他人事…まぁそれでも敵の方が数が多くて。ボクも殺されるって時にシーエがかばってくれてね。結果的にボクは首を飛ばされちゃってシーエも左手なくなっちゃったみたいだけど」  今はもうそのシーンはお互い覚えてないが、ウチの日記の最初のページには目の前に生首があり、自分の左手が無く、記憶も無いままその生首を解体して脳を保護したと書いてあった。その生首がアルビだったのだ。 「ボクを守る際にシーエが何か攻撃とか受けたのかな? あ、これはどっちも死ぬって思ったボクが、シーエの脳をハックして人格をコピーして、ボクの脳に保存した。記憶のコピーは…できなかったみたいだね」 「初対面の兵士にそんな事するか普通。自分だけ生きりゃいいやん」     
/739ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加