一章3 『脳仕掛けの相棒』 ※挿絵有

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 というか、アルビの親しい人を生かせば良かったじゃないか。いたはずだろう。その街に住んでたんだから。ウチなんかじゃなく、親しい人を… 「日記に書いてない個人の感想を挟まない。てかそれ前回の日記照会でも同じこと言ったじゃん!まだ覚えてるよボク!!」 「たぶんこれからの日記照会で、ずっと言い続ける」 「うわぁウザイ。話し戻すけど、ボク達を守ろうとしてくれたからね。結局ボクも首をはねられたし、死ぬくらいならこの人を救おうって感じで」 「軍人でもないのによくそこまで魔力使えたな…」 「火事場のバカ魔力ってヤツだよ。って書いてある。ボクもビックリだよ」  最近思念魔力をうまく使える様になって来たアルビが、思念魔力でもかなり難しい脳のハッキングを行えた理由がこれらしい。火事場のバカ魔力。人間は窮地に陥ると筋力や魔力のリミッターが外れてとてつもない力が発揮できる。これにより、本来は不可能に近い他人の人格と記憶のコピーをアルビがやってのけたのだ。記憶の方はほぼ失敗したみたいだが。  ただ、火事場状態で力を使いすぎると肉体にも脳にもダメージが行ってしまう。ウチ等がそろって1ヶ月しか記憶を保持できないのはその時のバカ魔力の後遺症だろうと、以前ウチの脳を検査した医者は言っていた。     
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