一章3 『脳仕掛けの相棒』 ※挿絵有

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 街の話に戻ると、アルビが言うにはどうも自分たちが暮らしていた街に敵国であるグーバスクロの狂兵士が攻めて来たらしい。街人は皆殺しにされ、到着した軍人のウチが追い払ったものの、ウチも脳を破壊される致命傷。アルビは生首状態になりながらも瞬時の判断でウチの人格をコピーし、ウチを動かした。  そして動いたウチはたまたま目の前にあったアルビの頭蓋骨を手順に従い保護。アルビ視点では生気を失いなんとなくやってた様に見えたらしいが、これが結果的にウチとアルビの命を救ったらしい。  しかしウチが軍人て…にわかには信じられない。アルビが言うから信じるしかないけど、あまり自覚がない。ウチはなんつーか、もっと、自分個人の感情で動く人種の様な気がする。軍人とは縁遠いイメージだ。  さっきアルビにも突っ込まれたが、衣装だってそう。ウチの性癖を全開にしたファッションは、今の生活では問題ないが、軍に従事してる際は違うだろう。しかし記憶を失った日、ウチは今と似た格好していたみたいだ。この辺も引っかかる。  この国の軍隊に関しては詳しく調べてはないが、結構ラフな集団なのか。それか規律や衣装も統一できないくらい人手不足で、戦える人間を即採用しているのか。  また話が戻るが、アルビの他にもウチはいくつかの脳を収穫したらしい。しかし死後しばらくたっており人格情報は全滅。演算用にもほとんど使えなかった。     
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