一章4 『肉の国の狂兵士』※挿絵有

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 連結脳サーバー。複数のクローン脳を繋ぎ合わせたサーバーで、国の各所に設置されている。思念魔力に特化した作りになっており、複数の脳を組み合わせた演算力はすさまじく、広範囲に思念魔力を飛ばすことが出来る。その範囲内に別のサーバーが設置され通信し、またそのサーバー範囲内に別のサーバーが設置され通信しと、これにより国の主要都市はほぼ通信可能になっている。  今みたいにニュースや各種放送局の番組を脳内に転送する他、遠く離れた人と通信や各種情報の検索等、個人が利用する事も出来る。これをネットやウェブと呼ぶ人々もいる。確かに蜘蛛の巣みたいだなと思う。  普段は入ってくる情報や通信は好みで任意に遮断できるのだが、今回のニュースは緊急放送の様で、重要度が高に設定されており遮断の優先度は低い。 『緊急放送です。本日15:00ごろ、グーバスクロの狂兵士複数人がオーデクス地方の住宅や工場を襲撃しました。これにより民間人65名が死亡、13名が意識不明の重体、重傷者や軽症者の正確な数は今のところ把握出来ておりません』 『オーデクス地方は我が国でも有数の工業地域ですからね。特に最近は兵器の生産が盛んだとか。周辺の工業地域の皆様も有事の際はすぐに避難出来る様、準備を怠らない様にして下さい』 『映像に出ているグーバスクロの狂兵士は、典型的な肉体強化タイプです。目撃した方は速やかに情報共有と避難を』 『彼らは我々の国と違い、機械に頼らず肉体を強化、変形させて戦います。その力は想像以上に脅威です。間違っても応戦しようとせず、逃げて下さい』     
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