一章5 『彼』※挿絵有

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一章5 『彼』※挿絵有

 正直ブルーになる。アルビもそうなのか、口を開かない。口無いけど。  戦争によってウチ等は被害を被ったらしい。まさに先ほどの映像の様な光景だった事だろう。あんなもの見せられた後で、テンション上げろという方が無理な話だ。 「Hi!! シーエちゃん! その素敵な義手、もっと素敵にしない!?」 「昼と同じ問答をぶち込んでくるんじゃねぇ!!」  鬱々とした思考をぶった切る様に、鬱陶しい挨拶を受ける。 「今ニュースで見たけど、近くで戦闘があったみたいだからココ数日はこの地域一帯が防衛強化されるはずだヨ! 稼ぎ時ダネ! シーエちゃん倉庫にあるR2-cc沢山店頭に持ってきて!」 「えぇ…」  オーデクスは近くの地域なのか。まだ土地勘が養われて無くて困る。さすがに5年もあったんだから覚えろよと自分でも思うが、1ヶ月ごとに忘れる場合、こういった情報は毎度日記を読まないと仕入れられない。勉強が脳に定着しないのは正直しんどいと思う。  しかし、近くなのか。オーデクス。この辺は武器開発やそれに伴う部品開発の企業が多いと感じていたが、納得だ。ニュースキャスターが言っていた避難の準備、冗談抜きでしておいた方がいいな。     
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