猫になりたい

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猫になりたい

その人に初めて会ったのは、友達に誘われて行った飲み会で。 大学の友達のひなちゃんと、その彼氏の青木さん。 ……それから、青木さんの友達の富田さん。 第一印象は『平均点以上』。 顔は中の上ぐらい? 優しそうで、話もそこそこ面白くて、今のところ目立った欠点も見当たらない。 あたしの中で、彼氏にする人は『平均点ぐらいの人』と決めている。 高過ぎても低過ぎてもいけない。 「二人は酒飲めるの?」 向かいに座る富田さんが、ひなちゃんにメニューを差し出す。 「甘いのなら、コレとかどう?美味しいよ」 「じゃあ、それで」 富田さんが指差した果実酒は、実はけっこうアルコール度数がけっこう高い。 この後の展開を予想しながらも、そのお酒を頼むのを黙って見ていた。 ……これが、『平均点より下』だったらそんな事はしないんだけど。 そして訪れる予想通りの展開。 酔っ払ってキス魔&露出狂になったひなちゃんは、青木さんに強制送還された。 「二人になっちゃったけど…いいですか?」 「あ…ああ、俺はもちろん!むしろ大歓迎!!それに珍しい青木も見れたし…」 …これぐらいは、いいよね? そもそも富田さんから女の子紹介して欲しいって話でこの飲み会になったって聞いてるし。
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