猫になりたい

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振り向いて富田さんの体を押すと、ベッドにもたれかかる体勢になる。 あたしは首筋に指を這わせながら、文字通り噛みついた。 少し歯を立てて強く吸うと、鮮やかな艶めかしい痕になる。 顔を上げて次は唇。 キャンディを転がすように丁寧に舐めていると、唇を開いて受け入れてくれる。 夢中になって舌や口の中を味わった。 どれぐらい時間が経ったのか、唇を離した頃には息が苦しいぐらいに上がっていて…… そんなあたしの肩を掴んで、富田さんは体を離した。 「ちょっと待って……このまま止められなくなる前に、ちゃんと言わせて?」 「え……?」 「ミクの事が好きだ。もう泣かせないから……俺の恋人になって下さい」 「っ……はい……」 ぎゅっと抱き締めてくれる。 「…って、ソッコー泣かれたら俺の立場ないじゃん……」 苦笑しながら頭を優しく撫でた。 「…だってっ……止まらないんだもん……こんなの、初めてで……」 「え?初めて?」 「……うん……あ、付き合ってる人はいたけど……本当に好きって思ったの、初めて……」 改めて口に出すと、恥ずかしくて顔が熱い。 「……そっか。じゃあ、もう遠慮しなくていい?」 「え……っ?」 あっという間にさっきと体勢が入れ替わって、 嬉しそうな笑顔に見下ろされていた。
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