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……初めてだった。
本気で男の人を好きだって思う事も。
こんなに甘やかされる事も。
エッチがこんなに気持ちいい事も……。
「……ミクちゃん?ご機嫌ななめ?」
「ううん!幸せなの!」
仏頂面のままできっぱり言い切ると、ひなちゃんは不思議そうに首を傾げる。
……性格を作ってることに気付かれてると分かってから、あたしは少しずつ本音を見せるようになった。
といっても、今の所ひなちゃんとあつしにだけ。
小さい頃からの性格というのは、そう簡単には変えられない。
その分、今までの反動があつしに大きくのしかかってるような気もするけど……。
「ひなちゃんは、青木さんに『初めて本気で好きになった』って言われたのよね?」
「えっ!?う…うん……」
照れながら頷くひなちゃんは、本当に可愛い。
「…どうして急にゆうくんの話?富田さんと何かあったの?」
……ゆうくん、か……。
「あっくん」
休みの前日。
仕事終わりのあつしの家に、食材を持参してお泊まり。
「急にどうした?可愛い」
「……ねえ、元カノにあっくんって呼ばれたことある?」
「…………うん」
……なんだ。
「じゃあ、ご飯作ってもらったことは?」
「……うん。笑」
膨れるあたしを後ろから抱き締める。
「何でそんなこと?」
「あたしばっかり初めてだから……あたしもあつしの初めてが欲しくって……」
「……ミク、可愛い……でも元カノの事とか気にすんなよ?」
……やり過ぎた?
今までずっと抑えてた反動で、あつしには本来のワガママな自分が出ちゃうのかも……。
「……ゴメン、ウザいこと言って……」
「違うって。そうじゃなくて……俺だったらミクの元彼の話聞いたら嫉妬で狂いそう」
きゅって胸が嬉しさで締め付けられる。
あつしは正直で、ストレートに気持ちを伝えてくれる。
「……あつし、好きっ」
「俺も、大好きだよ。ミクみたいに綺麗で可愛くて、大人びてるのに子どもっぽくて、ワガママで甘えん坊で、最高の彼女」
……褒められてるのか微妙な気がするけど。
「あ、あとおっぱいが綺麗!」
「おっぱい?」
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