猫になりたい

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腰を止めたあつしが、眉をひそめて見下ろしていた。 「……いいよ」 二人とも裸になって、ゴムを着けたあつしが入って来る。 最初から激しく突き上げられたけど、あたしの体はそれを待ってたかのように受け止めた。 「っ……ミク……っ俺だけのモノにしたい……っ」 「あっあぁ…っ……あつし、だけだよ……っ?」 気まぐれなあたしを撫でていいのは、あなただけだから……。 「…………っ」 「あぁっ…………!」 終わった後も、しばらく裸のままでベッドで抱き合う。 「…俺、ホントにミクと付き合えるなんて思ってなかったよ」 「なんで?」 「ミク可愛いし……飲み会で初めて見た時、俺なんか相手にされないだろうなって……」 ……でも、最初に二人きりになるよう仕掛けたのはあたし。 ……もう言っちゃってもいっか。 素直に打ち明けると、あつしは驚いた顔をした後に笑った。 その後の言葉は予想外のものだった。 「俺も、ひなちゃんにワザと強いお酒薦めた」 「えっ…………嘘?」 「……本当」 「…………」 「…………青木に殺されるかな」 「…今度謝ろっか」 二人で顔を見合わせて噴き出す。 実は似た者同士なのかも。 だからこんなにも心地いいのかなぁ。 初めて出来た大好きな人。 その腕の中で、あたしはまた思いっきり甘える。     
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