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富田さんとはLINEでやり取りを続けて、直接会う事はないまま学祭の日がやって来る。
「おい、ひなー」
「リヒト!ゆいちゃん!!」
ひなちゃんからよく話を聞く、幼馴染くん。
すっごく可愛らしい彼女と二人、ひなちゃんが紹介してくれる。
「ミクちゃんだよ。こっちはリヒトで、ゆいちゃん」
「いつもひなちゃんから聞いてます。楽しんでいってね」
「あ!青木さん!!」
簡単な挨拶を終えた後、リヒトくんがあたしの後ろを見て言った。
「……スゴイな。ミクちゃん、久しぶり」
「青木さん、いらっしゃい。飲み会以来ですね」
そしてその向こうに……
「富田さん!こんにちは!」
「……もしかして、猫カフェ?」
「当たりです!」
今日のあたし達の格好は、猫耳のカチューシャ。
…それに何故か、先輩の趣味でメイド服。
その姿で屋台でコーヒーや焼き菓子を売っている。
……ホントは、富田さんはナースとかセクシー系が好きそうかなって思うんだけど。
でもあんま狙い過ぎも引かれそうだしね。
「可愛いな」
富田さんがカチューシャの耳を撫でた。
「癒されますか?」
「…うん」
上目遣いで覗き込むと、少し顔を赤らめて頬を緩ませる。
……この顔が見たかったんだったりして。
「ゆうくん!初めてメイド服着ちゃった♪」
「動きにくそうだな」
「それだけ!?もうっ!」
青木さんは、クラシックなレトロな感じのメイド服とか好きそう。
なんとなく。
「ひなちゃん!すっごく可愛いよ!!写真、撮ってもいい?」
「うん♪」
ひなちゃん一人や青木さんとのツーショットをゆいちゃんに撮ってもらった後、一緒に撮ろうと声をかけてくれた。
あたしはひなちゃんにぎゅーっと抱き着いてラブラブ写真を撮ってもらった。
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