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ひなちゃんの家の最寄駅に来たはいいけど……まだ会ってもないのに心臓がドキドキしてヤバい。
「ひなちゃん……あたし、どっか変じゃない?っていうか会って何話したら……」
こんな気持ちになるのは初めてで、何をどうしたらいいかさっぱり分かんない。
今までは相手の喜びそうな言葉を言ってればいいって思ってたから……。
「……ミクちゃんってもしかして……初恋?」
は…初恋……?
……に……なるの!?
なんか恥ずかしすぎる……!!
「ミクちゃん、いつも可愛いし素敵な女の子であたしの憧れなんだけど……今のミクちゃんが一番可愛い!だからきっと……大丈夫だよ!」
「……ひなちゃん……」
青木さんに大体の場所を教えてもらって、大学の近くまで歩いてきた。
「そろそろ仕事も終わってるよね?連絡してみる?」
「……うん……でも急に来て、迷惑じゃないかな……」
「聞くだけ聞いてみても……あ!富田さん……?」
ひなちゃんがあたしの後ろの方を見て、固まった。
その理由は振り向いてみて分かった。
……そこには、スーツ姿でマンションに入ろうとする富田さん。
……仲良く女の人と寄り添うようにして……。
見たくない。
気付いたら振り返って走り出していた。
「ミクちゃん!!」
……大人の女の人だった。
どう見ても富田さんよりも年上……でも綺麗な人。
……最初からあたしなんかじゃ、叶うわけなかったんだ。
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