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同じ会社に在籍する私たちは一歳差、とても仲が良い。
私は正社員。稼ぎが良い。働くのが好きで、結婚願望はない。家事は好きではない。私の代わりに家事をしてくれる人がいれば働くのがもっと楽になるのに…と思っている。
彼女は派遣社員。稼ぎは私の2/3程度。家事が好きで、専業主婦になりたいという夢を持っている。
私たちはとても仲が良い。
感受性が豊かで女性らしい彼女を冷静な目で見る私。冷静がゆえに関心のないことに興味のない私をたしなめる彼女。
パートナーとしてはぴったりである。
私たちが恋愛関係に発展し、私が彼女を養えればどれだけいいだろう。
私は彼女を養えるだけの給料がある。彼女は大好きな家事をして過ごすことができる。
「私たちが結婚出来れば最高なのではないか」
そうお互いに話すこともある。
読んでいる方はこう期待しているだろう、私のこの言葉は本気である、私は彼女を好きだが、彼女は男性を好きなのだろうと。
違う。私も男性が好きなのだ。
私たちはあくまで友達なのだ。
ここまで思っても願っても恋愛感情は生まれない。悩まなくてよかったじゃないか、そうだろうか、私は好きになった人とずっと一緒にいるという選択を女性同士であるがためにできない。
そして私は男性と結婚した。
彼女のいる会社を辞めた。
私は彼女と一緒にいることができない。
彼女を選ぶことができなかった。
くだらないことで笑いあって、泣きあう、もう彼女と同じ時を過ごすことはできない。でも私は幸せなのだ。
なんてつまらない物語。
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