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記憶の破片Ⅱ #2
椅子から立ち上がった圭吾は、私を見て微笑み直すと
「解ってる。色々俺に聞きたい事があるんでしょ?でも続きは後にして、取り敢えずあっちに行かない?」
と、言ってきたので、私もその場の空気の流れに身を委ねる事にした。
其からの時間は、誰も私の事を話題にする事なく、三人の話しに耳を傾けながら、お腹いっぱいになるまで食べたり飲んだりしていた。
若干炭酸でお腹が苦しいのだが、別に不服と言う訳でもない。
だいぶ日も傾いて、景色にオレンジ色の色が掛ってきた頃。
「今度は哲も圭吾君も皆で飲める様に、家で鍋やな!!」
と、片付けも終え荷物も乗せ終えてから、眠った晋汰を車に乗せた紗百合はそう言って車に乗り込んだのだが…
私と圭吾に持た為れた、ゴミ袋。
彼は気にしてない様だが、此処でもなのか?と手に持つゴミをぼんやりと見つめた。
「ゴミは分けて各自持ち帰る!!うちの家訓☆」
「お姉様またね☆圭吾もメール為てくれないと泣いちゃうからっ!!」
二人の言葉が飛び交うと、「またね~」と窓から顔を出しながら叫ぶ紗百合の声は、彼らの乗った車と共に小さくなっていくと、視界から消えて行った。
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