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意識 #2
叔母と、叔父の嫁である叔母の二人からだ。
二人共私の大好きな人で、嬉しくて、この人達の気持ちに答える為にも、書かれていたそれの様になろうと思った。
だから私は、浮気や不倫が出来る人間じゃないし、しようとも思わない。
人が傷付くと解っている事をする様な下劣な人間には為るまい、そう強く心に決めている。
そうそれは、紛れもなく私の大切な人達の為でもあるからだ。
そんな私が、記憶がないと謂え、事実上は結婚して、旦那も子供もいる身なのに、私は彼に……
「ないないないないないな…………」
気が付けば独り言の様にボソボソと声に出していて、前に座る見た感じからして40歳前後の女性から勢いよく振り向かれ、目があってしまった。
私はその女性に、驚かせてしまってすみませんとの意を込めて、頭を下げた。
後ろからの、幾つかの痛い視線も感じるが、気にしない振りをしてまた考える。
違う。別に彼にドキドキした訳じゃない。
私は人見知りで、男の人が苦手だからで。その上、余り突然の出来事だったからで。
きっと、誰だって…ドキドキする…はず。
些か自信が持てないが、そうに違いないと言い聞かせた。
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