認識Ⅱ

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―――――――――――――――仕事は何時に終わる?聞きたい事があって…   そうメールしたのは、夕方五時頃だった。   あれから何度も歩きながら、やっぱり今日は帰ってメールで聞こうかなと思ったり、やはりこう言う話しは直接目を見て話さなきゃと思ったりの繰り返しで今の今まで、ふらふらとさ迷う様に歩いていた私。   あの銀杏並木を歩いて行った先に、あの見慣れた図書館を見つける事が出来、丁度よく時間を潰す事が出来た訳だったが…   今現在七時前。道に迷って、きっとそんなに病院から離れていない(だろうと思われる)住宅街に、私は本当の意味の方でさ迷い続けていた。   メールを送ったが返事もなくて、昼間、圭吾にあんな事を言ってしまった自分に後悔をしていた。   なんで、あんな言い方したんだろう。 何だか調子が狂ってるよね…私。   そんな事を思いながら溜め息を洩らすと、バッグの中から振動が伝わってきて、慌てて携帯を取り出すと、昼間も携帯の画面に表示されていた[圭子]と言う文字が出ていたのだ。   間違いなく彼、圭吾からの着信だった。   昼間は[圭子]となっていた事に「なんでだろう?打ち間違えかな?」としか思わなかったんだが…
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