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青く煌めく水の光に #2
圭吾も笑って、「それ、前者も違うし、後者はまるっきしゲンエキ違いやな…。」というと、私に笑われた事が気に障ったのか、昌哉の口はより一層尖っていって、「はぁ?じゃあ何だよ、美咲はうまく説明出来んのかよ。」と悪ぶった口調で挑発してきた。
しかし、私は「そんなの分かってるに決まってるでしょ」何て言えるほど強気な姿勢やプライドは持ち合わせてはいなかったが、それでも答えないわけにもいかず、結局、昌哉の挑発は成功したことになってしまうのだが、しかし、まさか、こんな沢山の人がいる場所でこんな事を聞かれるなんて思ってもみなかった引っ込み思案な私は、焦る気持ちを必死に宥めさせた。
しかもこれって、変な説明したら凄い赤っ恥だよね…そう思いながら昌哉を見た時、マイクを持った施設のお姉さんが水槽前に現れた。
私が「あ、始まるみたいよ!現役のダイバーさんが出てくるよ!」というと、水中に無数の気泡を纏ったダイバーが沈んできた。
説明する事も得意じゃない私は、説明する事から逃れられた嬉しさから、昌哉に「ほら、現役、現役!」と言って水槽を指差して見せると、圭吾と顔を見合わせて笑った。
ショーが終わると、屋外に魚やヒトデなどに触れたり、子供達が自由に遊ぶ事ができる広場がある。そこに行くと、昌哉は2人から離れて、他の来館者の子供達と混ざって遊び始めた。
私と圭吾は、少し離れたベンチで暫く昌哉の様子を伺う事にした。
「ここ、2人で良く来るの?昌哉君、凄く詳しいね。」
私は、微笑んで昌哉を眺める圭吾に問いかけた。
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