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2020年日本が東京オリンピックで盛り上がっている頃、鮎川涼平は離婚して故郷、佐渡島で穏やかに暮らしていた。
江戸時代に金山で栄えた相川町の猫屋敷で骨董屋・Oldをオープン。ひきこもり少年アキラと廃屋から出た骨董品をネットで売っている。
しかし突然、過疎化の町に新ソーラー屋根が出現。太陽光発電を無料で提供する企業・美来による地方復興計画だった。
その提供は孤独な老人の家屋のみだったが、それだけでも島の風景は一変して行く。政府支援の事業だったが涼平は不審に思った。そして近所の老人の病死に疑問を持つ。
調査をすると、電磁波を送受信する頭巾。それを付けて寝ていた老人の脳が干からびていた事を知る。ソーラーパネルと蓄電池には電磁波の装置が隠されていた。
涼平はそれが元妻・早紀江と大学院で研究していた電磁波の理論に関係していると直感した。老人の脳から抽出したデータが装置に蓄積され盗まれていたのだ。
時間泥棒か?涼平は老人の人生を奪った早紀江に怒りを覚えた。
天才的なハッカーアキラが美来社の機密事項をハッキングし、涼平は早紀江が開発チームの中心メンバーであり、エネルギー提供とは名ばかりで脳データの実験をしている事を突き止めた。
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