0人が本棚に入れています
本棚に追加
「...神谷君、付き合って下さい。」
「時間の無駄だ。君に魅力を感じない。」
「...酷い。」
長い学校生活の中で、他人の告白することは何度か見るだろう。
今もその最中ではあるが答えは何時も同じ。
彼の名は神谷鏡、私の通う高校で一番モテてる、クールで一匹狼な人。
彼はこの高校に入る一年以上前に恋人を事故で失った。それから彼は心を閉ざしてしまった。
「...あいつ。また女の子、振ったの?雪奈は言わないの?好きなんでしょう。」
教室の窓から見ていると友人の美菜ちゃんが突っ込んだから、驚いて転けた。
「...な、な、何で知ってるの?言ったことないのに...。」
顔を赤らめて言った。
「やっぱりそうなんだ!あいつのどこが良いの?」
きっぱり言うポニーテールが印象的な強気な彼女。
「...私は神谷君の何気ない優しさが好きなの!」
「...日生、ちょっと良いか?」
言ってから三十秒経っただろうか?本人がいた。
冷や汗が滝のように流れ、ロボットのように体を動かした。
「...神谷君、どうしたの?」
「...今日の放課後の図書当番のことなんだが...」
彼とこうして話せるのは夢のよう。
「通常作業以外、何かあったけ?」
「いや、図書の川内先生に頼まれた。新着の本を取りに来ることと蔵書整理を...。確かに伝えたからな。じゃあ放課後!」
彼は簡単に要件を述べ、行ってしまった。さっきの話を聞かれたのか気になったが、脱力。
「...奴が優しいね。」
皮肉めいていた。
“2年連続で同じクラス、同じ委員会であることは奇跡だと思っている。だから、これ以上望んだら罰が当たりそうな気がした。”
最初のコメントを投稿しよう!