鏡の仮面 第1話

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「...神谷君、付き合って下さい。」 「時間の無駄だ。君に魅力を感じない。」 「...酷い。」 長い学校生活の中で、他人の告白することは何度か見るだろう。 今もその最中ではあるが答えは何時も同じ。 彼の名は神谷鏡、私の通う高校で一番モテてる、クールで一匹狼な人。 彼はこの高校に入る一年以上前に恋人を事故で失った。それから彼は心を閉ざしてしまった。 「...あいつ。また女の子、振ったの?雪奈は言わないの?好きなんでしょう。」 教室の窓から見ていると友人の美菜ちゃんが突っ込んだから、驚いて転けた。 「...な、な、何で知ってるの?言ったことないのに...。」 顔を赤らめて言った。 「やっぱりそうなんだ!あいつのどこが良いの?」 きっぱり言うポニーテールが印象的な強気な彼女。 「...私は神谷君の何気ない優しさが好きなの!」 「...日生、ちょっと良いか?」 言ってから三十秒経っただろうか?本人がいた。 冷や汗が滝のように流れ、ロボットのように体を動かした。 「...神谷君、どうしたの?」 「...今日の放課後の図書当番のことなんだが...」 彼とこうして話せるのは夢のよう。 「通常作業以外、何かあったけ?」 「いや、図書の川内先生に頼まれた。新着の本を取りに来ることと蔵書整理を...。確かに伝えたからな。じゃあ放課後!」 彼は簡単に要件を述べ、行ってしまった。さっきの話を聞かれたのか気になったが、脱力。 「...奴が優しいね。」 皮肉めいていた。 “2年連続で同じクラス、同じ委員会であることは奇跡だと思っている。だから、これ以上望んだら罰が当たりそうな気がした。”
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