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しかし、先生は帰してくれず、喫茶店に連れて来られた。
「...さぁ、お前達。今日は先生の奢りだ、好きな物を頼め!」
上機嫌な先生に対して、神谷君は不機嫌だった。私もどちらかと言えば怒っているが、もうどうでも良くなっていた。
「...いらっしゃいませ。京介さん、珍しいお客さんをお連れなんですね。ご注文はお決まりでしょうか?」
可愛らしい女性店員の方が親しげに話し掛けた。
「...いや、こいつらは俺ん所の生徒なんだ。今日は頑張ってくれたから連れて来たんだ。ところで、美夜ちゃん。今度の休みなんだけど...。」
どうやら先生は私達をだしに使い、この店員さんと仲良くしようという魂胆らしい。
「ハア。先生、酷いね。」
「ったく。忙しいのにな。」
そこにとても格好良い店員さんが来た。
「...お嬢さん、そちらのお兄さんも、ご注文はお決まりでしょうか?」
ドキッとする素敵な笑顔で微笑まれた。
「...マスター、相変わらず笑顔が素敵だね。本当に女にしておくのがもったいない位だよ!」
その川内先生の発言に驚いた。
「...女の人だったんですか!?」
「...美澪さんは、女性に人気の高い方なんだよ!」
「...とても格好良くて、綺麗な方ですね。すみません変なこと言って...。」
「...大丈夫ですよ!これが私の売りだから!」
本当に素敵な人だと思った。先生にさり気なく、釘を打ってくれた。
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