5人が本棚に入れています
本棚に追加
村の人から逃げに逃げ2人はかなり追い詰められて最後にたどり着いたのはいつもの月がよく見える場所だった。
「瑞希もう無理だよ離していいよ」
泣きそうになりながら雫が言った。
「ダメだ、絶対に離さない……」
でも、もう2人は逃げる力なんて無かった。
瑞希は雫の手を引っ張りながら石の上に上り2人は向き合い正座した。
「雫…お前に出会えてよかった……」
瑞希の言葉に雫は動揺した。
「瑞希何言ってるの!瑞希だけでも帰れば大丈夫だよ!」
すると、瑞希は首を振りながら服の内側から小刀を2本出した。
「これは……?」
雫は恐る恐る瑞希に聞いた。
「お前が帰らないなら俺も帰らない、お前が捕まるなら俺も捕まる、お前が生きるなら俺は生きる、そしてお前が死ぬなら俺も死ぬ……」
瑞希は雫に真面目な顔で言った。
「そうしたら瑞希とずっと一緒にいれるのかな?」
瑞希は縦に頷いた。
「早くしないと多分また引き裂かれてしまうだろう…」
雫は自分の手で小刀を持った。
瑞希も自分の手で小刀を持った。
「この小刀で互いの心臓を突き刺して抱きしめ合いながら死のう……」
瑞希は静かに言った。
雫は首を縦に振りゆっくり互いの胸に突き刺した。
「雫……愛してる…」
「瑞希……愛してる……」
そう言いながら2人は胸に小刀を突き刺しあった。
小刀は2人の胸に突き刺さりぎゅっと抱きしめ合いながら2人は死んだ。
ーーーー次、また巡り会えたら
また互いを好きになろうーーー
最初のコメントを投稿しよう!