第3章 遺跡入口

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「まぁね、ただなー。見た文献には陸の遺跡で使われた魔法とか、そーいうのが後々の時代で発動した前例って出てこなかったんだよな。大体、魔法ってのは術者が死んだ時点で強制解除の筈だ。誰かが受け継いでいくなりしなきゃ、後世の時代で発動するわけないんだよな」 アラヌスはルチーナに問うように話す。これにはルチーナも同感だった。魔法は、術者が生きていてこそ発動する。後世に残すような魔法なら、誰かが受け継いで魔法を上書きさせることで長い年月の間、同じ魔法を発動させ続けることができる。つまり、こんな生き物の気配がないような、誰も生きていなさそうな遺跡の中に、発動するような魔法がかけられているとは思えなかった。 「これは、きちんと調べてみる必要がありそうね。もしかしたら、特殊な仕掛けがあったのかもしれないわ」 「だな。オレたちの魔法がここに導いたんだ。絶対何かがあるはずだよな」 そう言って、二人は先に続く闇の中へと足を踏み出した。     
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