第3章 遺跡入口

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「や、だって、これ…オレたちがよく使う文字じゃん。古代文字とかじゃないってことだよな。でも、この建物自体は特定の時代の遺跡で使われてた建築様式だし、文字と建築様式の年代がバラバラ過ぎる」 そう、石盤の文字はアラヌス達が普段から使っている文字だ。しかし、この文字の歴史自体はアラヌスの知る限り、遺跡の推定建築年代よりもずっと後だ。だが、こうして二人とも読めている。これはどういうことなのだろうか。 「んー、これも魔法…とか?でも…」 「そう、術者が生きていないと発動しない。それにー…あれが魔法によるもので、それで読めるんだって言うならさ、術者が生きていて、オレたちが来ることがわかってたってことにならないか?」 そう言われて、ルチーナは息を飲んだ。 「ま、まさか…だっていくら何でも人が生きてるわけないじゃない!この遺跡ってすごく前のもの何でしょう?それに、私達が来ることがわかってたって…そんな…」 すっかり動揺を隠せないルチーナを見て、アラヌスは慌ててフォローを入れた。 「い、いやさ、オレたちが来ることがわかってたってってのは違うかもな!ただ、ルチーナ、忘れてないか?魔法使えるのは、オレたち人間だけじゃないってこと」 その言葉に、ルチーナもハッとする。 「あ……そうね。私は見たことないけど、幻獣とか精霊だっているって言うわね。もしかして、そういう存在の仕業かもってことね」     
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