19人が本棚に入れています
本棚に追加
第2章 これからがはじまり
呆れんばかりの台詞を吐いたアラヌスは、言いたいことを言えて満足だというような顔で、ルチーナ…ではなく海の方を向いた。そして、
「まぁな、あれだな!あんまり気にしなくていいんだぞ。オレはお前のこと…嫌いじゃないし、好きなものなら喜んで食べてるだろ?」
と、言いながらくるっと方向転換してルチーナを見るものの、先程まで笑顔だった彼の表情はすぐに青ざめる。
「……ル………ルチーナ…?」
アラヌスは今にも泣き叫びそうなのを必死に堪えるような表情でルチーナを見る。彼女の身体は微かに震えている。
「………」
当のルチーナは下を向いて握り拳を強く握っていた。怒りが頂点に達したようだ。彼女は握り拳を勢いよく振り上げて思いっきり叫んだ。
「あんったねぇ!いつまでもわがまま言ってんじゃないわよ!家事が出来ないあんたの為に作ってんのよこっちは…!!」
ルチーナがそう叫び終えたかどうか、その声に被せるようにその音は響いた。
ドオォーーーーーーーーーーーン!!
バシャーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!
突然聞こえてきたその音に二人は驚いて音のする方に目を向けた。
「なっ…何!?何事?」
最初のコメントを投稿しよう!