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この鬱積した状況のなか、作品の中に自分が主人公となる人間関係を構築したくなった。ネットで小説を投稿している途中、夜深い時間に夫が帰宅する。
「今日、どうだった? 友達とは」
「うん、楽しかったよ」
「たまには羽をのばさないとね。また行きたくなったらいっておいでよ」
置いてきぼりだ。夫とはいつからこういう関係になったのだろう。
ずぶずぶと足を入れていく感触が足から頭へと突き抜けて行く。出口のない場所へ入り込んでしまった、そんな気持ちになる。
一緒のベッドに入っても昨夜も疲れているから、といってわたしの体を触れようともしなかった。最後にしたのはいつだろうか。
体を重ねたくなったら文章の中でやらせればそれでいい。とうとう、そんなところまで達観してしまったのか、わたしは。
ベッドサイドからスマホを取り出す。動画サイトを開き、和美のお笑いをみていたら面白いのになぜか泣けてきた。
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