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同じ学校だったからって同じ人生を歩んでいないとわかっていながら、自分の物差しで相手を見比べてしまう。
何と引き換えにどこで幸せのポイントを消失してしまったんだろう。
30歳がもうすぐ手に届く人生ポイントなんてマイナスなわたしを受け入れてくれるところなんてあるんだろうか。
そんなわたしを心配してくれているのか、美咲から未来何してる? 会わない? 凛子も一緒だよとメールが来た。
二人に会うのはいつぐらいだろう。メールやSNSではやりとりしているものの、実際時間の都合を合わせて会うことはできなかったため、1年前にあった高校時代の合同同窓会以来だろうか。
「たまってきたな」
気がつけば、居間のテーブル周りには何日も放っておいた層になった洋服とコンビニで買って食べ残したご飯が干からびている。
人生がポイント制であれば楽なのにな、と思う。子供の頃は勉強すれば、掃除を頑張れば、クラスメイトにいいことをすれば担任の先生から特別に金色のシールをもらって後ろの掲示板に貼られていたのに、今、自分が生きる大人の世界で金色のシールどころかなにももらえていない。
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