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「ウィ~ッス。おっ?[やっぱりここにいた]か、タケ。よっ、久しぶり!!」
「久しぶりだな、[ジョー]。」
その後、閉店という看板を下げているにも関わらず、陽光は[遠慮なく店内へと入って来た]。
「ねぇ、マスター?僕、お腹減ったぁー!!」
「[そう思うんなら、さっさと帰れ]。なんでいつも長時間居座るんだよ、お前らは?さっさと帰って家で食え。」
「[なんかマスターの事もだいぶ分かってきた]わ、俺。よく喫茶店のマスターなんてやってんな、アイツ。」
「なんだかんだ文句言いながらも[漣は喫茶店の仕事が好き]なんだよ。[ライルと違って素直じゃねぇ]んだな、これが。なぁ、漣?」
「・・・・・・何見てんだよ?」
「おい、大和。お前、[漣から凄ぇガン飛ばされてんぞ?]」
「ねぇ、漣ちゃん?今日の夕飯はなぁ~に?」
「人数が多いので私もお手伝いしますよ、マスターさん。私、今日はほとんどお仕事をしていませんし。」
「・・・どうして真琴は[ここで夕飯を食う事を前提に話を進めてんだろうな?]」
真琴の発言にため息を吐き、漣は仕方なさそうにカウンターへと戻って行く。
そして、中華鍋をしまった棚から[大きめのホットプレート]を取り出し、面倒臭そうに料理を作り始めた。
「・・・ほらよ。これ食ったら、さっさと帰れよ?」
「うわぁ~、美味しそう!!いただきます!!」
テーブルの真ん中にドンッ!!と置かれた大きめなホットプレートの蓋を開けるなり、真っ先にライルが手を伸ばす。
ちなみにどうでもいいかもしれないが、今日の夕飯はホットプレートを使ったミックスパエリア(結構なボリューム)とカラマーレス・フリートス、ピスト・カステリャーノという、漣にしては珍しくスペイン料理が満載である。
「へぇ〜、珍しいな。和食じゃねぇのか?」
「ユエが珍しく中華料理が食いてぇっつーから、中華鍋を出したんだよ。そしたら、棚ん中でホットプレートを見つけてな。大人数の料理を作るのが面倒臭かっ・・・久しぶりに使ってみようかと思って。」
「[今、また面倒臭ぇって言おうとした]な?!今日は真琴ちゃんも手伝ってくれたから、いつもより楽だったろ?!」
「あぁ、そうだな・・・[いつもよりは楽]だったよ。[いつもよりは」、な。」
漣の言葉は(真琴以外の)[全員が]聞こえない振りをし、タケルを新しく加えた一同は[いつものように]和気藹々と楽しく夕飯を食べる。
そして、夕飯を食べ終えて満足した面々はこうしてようやく解散するのだった。
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