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恋人として
その日から、私と彩海さんは付き合い始めた。
今まで恋人と言われる付き合いをした事の無い私は、彩海さんが初めての恋人で、何もかもが初めてのコトばかり。
5才年上の彩海さんは、20才の私から見たらとっても大人で、仕事でもプライベートでも何をしてても、見惚れるほどカッコよかった。
何も知らない私は、恋愛というものを一つ一つ彩海さんから教わっていった。
お洒落な雑貨屋さんに2人で行って、色違いのマグカップを買ったりして、少しずつお揃いのモノを増やしていった。
週末の金曜日には、仕事終わりに待ち合わせして、ご飯食べながらワインやサワーを飲んで、ちょっと気分が上がって彩海さんのお家に向かう。
「香菜、好きよ。」
「彩海さん…、私も彩海さんのコト、大好きです…」
「ああ、香菜…、初めて会ったあの日から、あなたのコト、ずっと見てた…」
彩海さんの顔が近づく。
私は自然と目蓋を閉じて彩海さんのキスを待つ。
彩海さんの柔らかな唇と私の唇が触れる。
チュッと小さな音を立てて、離れる唇。
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