男の子だもん 2

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暁お手製の弁当を静かに涙し食べていると、隣から大きなため息が聞こえた。恐る恐る暁の方を見るとこちらを見ていた。無表情で。 「で、本当は何に悩んでるんだ?」 うっ、さすが暁さんお見通しってわけですか。 「えっとですね、これからどう攻めていけばいいのか迷ってます!どうすればいいと思いますか?」 数秒間の沈黙後、暁の一言。 「…面倒くせぇ」 「えぇぇ!そう言わずにお願いします!!」 両手を合わせ拝む俺に暁の眉間の皺がますます増える。 「暁様~何でもいいんです!オラに勇気と助言を!!」 俺のしつこいお願いに暁は折れたのか、深いため息後「本当になんでもいいんだな?」っと聞いてきたので勢いよく頷いた。 「…相手は大人で、教師で、男だ。キスしてアレが立ったぐらいで相手も好きとは限らない。嫌がらなかったからって自分の都合の良い方向に解釈するな。雰囲気に流されて少しでも感じればアレは立つ。お前もそうだろう?」 「うっ、たっ、確かに」 「青葉先生の性格上、生徒からの…子供からのキスなんて子犬に噛まれたっと気にもしないだろう」 「うっ…そう、だな」 「だが…確かに譲の言うように、最近の青葉先生はおかしい。譲の見る目が甘い…」 「えっ!マジで!」 嬉しくて暁を見ると俺とは反対に迷惑そうに眉間に皺を寄せている。 「俺は人の数倍視線に敏感なんだ。譲と一緒にいると強い視線を感じて見てみれば青葉先生だった。で、お前と一緒にいると視線が半端ないんだよ…。本当マジ迷惑。授業中も譲を見る目が甘すぎて気持ち悪ぃ…」 後半はブツブツと小さい声で何を言っているかわからなかったが、暁の言うとおりだったら、もしかして俺は期待してもいいのだろうか。 「なぁ、暁。俺、どうしたらいいと思う?」 いつもとは違う真剣な俺に暁は目を細めてふっと微笑する。 「普通はキスしてきた生徒に向かって、あんなあまったらしい目を向けない。だから…      」
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