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突然、片岡が野沢の足元に飛び込んだ。
野沢は驚いて立ち上がろうとしたが、両足を片岡にがっちりと掴まれて、仰向けに倒れた。
その野沢の胸の上に河村が馬乗りになり、首を押さえつけた。
「何をす・・・・」
首を絞められて、野沢は声を出すことができなくなった。
「この業界はキャパが決まっているんだ。これ以上シェアを取らせるわけにはいくか」
ぐいぐいと野沢の首を絞める手に力を込めながら河村が言った。
そうだったのか。
だったら俺は別の業界で挑戦する。別の業界にだって素晴らしいアイデアは転がっているはずだ。お前らの会社に入って挑戦してもいい。
野沢はそう言おうと、必死になって声を出そうとした。
河村は野沢が助けを求めるために、何か叫び声を出そうとしているのだろうと思った。
そうはさせじと、河村はさらに手に力を込め、体を浮かせて体重を両手に乗せた。
グキリと、野沢の首の骨の折れる鈍い音がした。
終わり
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