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野沢もそれでいいと思っていた。しかししばらくして、新たな気持ちに誘われて下町に小さなオフィスを構えた時に、初めて野沢は自分が何を欲しているのかを悟った。
だれにも思いつかないようなアイデアを得ること。そしてそのアイデアが本当に素晴らしいものかを検証すること。それこそが自分の求めているものだと気が付いた。
自分のアイデアがどれほど優れているか検証する事とは、つまり、会社を作り、大きくして世間に認められるほどにするということ。それだけのものを作り上げて初めて自分のアイデアがどれだけ優れていたか証明されたことになる。
二つ目の会社の時は、いくつもアイデアがあった。だからこそあれほど早く大企業にすることができた。
今はまだ、会社を立ち上げたけれど、これといったアイデアはない。しかし、なんとなくこういうことをしてみたらどうかという漠然としたものがおぼろげに見えている。それをはっきりとしたアイデアという形にした時からが勝負になる。
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