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「あなたに来ていただけるなら、二つの会社を統合して、あなたをそのトップとして迎えたいと考えています」  片岡の言葉を引き継いで、河村が言った。 「おいおい、馬鹿なことを言うなよ。そんなものに興味がないから会社をお前たちに譲ったんだぜ。俺はまた別のアイデアを考えて、それを実現させてみたい。だからもう一度会社を構えたんだ」 「それは私たちのところに来てやっていただきたいのです」  片岡が言った。 「そんなところに行って成功したとしても、それが本当に自分のアイデアが優れていたからかどうかなんてわからない。何もないところから始めてこそ、そのアイデアが素晴らしいものだったかどうかがわかるんだ」  野沢は二人の顔を見て言った。 「そうですか」  片岡がうめくように言った。 「まあ、見てなって。どれくらい時間がかかるかわからないけど、もう一度ばかでかい企業を作り上げてみせるよ」 「どうしても私たちのところには来てくれないのですか」  片岡がもう一度言った。 「もちろん」  片岡と河村が顔を見合わせた。
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