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何故か間があったのが少し気になったが、ダドは構わず続けた。訳有りなどこの辺りでは珍しくないからだ。
「身分を証明できるものは何か持ってるか?」
「その、僕家出してる身なんで、・・・その、持ってないんですけど・・・」
もじもじと答える。
「う~ん、そうか、まぁいいや。簡単に経歴とか話してみてくれ」
その後いくつか質問をし、契約内容などを確認した後、契約書にサインをしてもらう。
「人手が足りないから今から働いてもらうぜ。
本当は他にもめんどくさいことしなきゃなんないんだけど。
緊急事態ってことで省略」
マキアがいたら絶対そんなことにはならなかったろう。
「おっと、俺の自己紹介がまだだったな。俺はダド。よろしくな」
「あ、よろしくお願いします。それと、住み込み可ってあったんだけど、・・・」
「おう、この建物の五階だ。好きに使っていいぜ。案内するよ」
とその時、
バタン!
と入り口の立て付けの悪い壊れかけた扉が勢いよく開け放たれ、黒服の男が飛び込んできた!
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