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「・・・失礼、坊ちゃまは来てないか?」
「・・・また逃げられたんかよ。今のところ連絡も来てねぇよ」
「そうか・・・毎度すまないが、もし連絡があったら・・・」
「ああ、わ~ってる」
男はアタフタと帰っていった。
(あの扉の寿命も長くないな)
とダドは思った。
「あの、今のは・・・?」
ラスが聞いた。
「ああ、今のは―――」
とダドが答えようとしたとき、
「僕のボディーガードだよ」
どこからか幼い少年の声が降ってきた。
「この人は誰?新人さん?」
天井の蛍光灯の陰から、野球の球位の大きさの、目を模した『ラジコン目玉』(?)が飛んできて、ラスの目の前で瞬きを繰り返した。
「また変なラジコン作ったな?おい、今どこにいんだ?」
「マキアがいないね。マキアはどうしたの?」
ダドの質問には答えず少年の声が質問をぶつける。ラジコン目玉が辺りを見回した。
「マキアは怪我して入院中だ。そいつはマキアがいない間の代理、ラスだ」
「ふ~ん、こんなにやせっぽっちで平気なの?」
ラジコン目玉がラスを観察するように周りを飛び交う。
「くだらねぇ事言ってないで、早く居場所教えろ」
ダドの口調が少し強くなる。
「ふ~ん、僕を粗末に扱っていいのかな?」
「ぐ・・・」
ダドが詰まった。ラジコン目玉はダドの周りを飛び交う。
「い、居場所を教えてください・・・」
「よしよし」
ダドは思った。
(なんて生意気なガキだ!)
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