親子酒。

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最初は弟子入りを断られた下駄職人への道。 しかし、俺は何度もその下駄屋に通い続けた。 一度、惚れこんでしまった『職人の技』。 俺が、自分でやりたいと思うことを、自分の力で得ようとするなど、これまでの人生ではなかった。 父の敷いたレール。 母のお膳立て。 その上を歩いてきたこれまでの人生。 そんな人生から脱却するには、このチャンスしかないと、若い俺は思った。 そして、2か月通ったある日。 「職人は忍耐と集中力。諦めの悪さもまた、忍耐の賜物よ。……明日から工房に来い。本当は、職人は喉から手が出るほど欲しかったんだ。」 老人が、ついに俺の弟子入りを認めてくれた。 そしてその夜。 俺は数か月ぶりに母に連絡をした。 母は、俺が職人の弟子入りをしたことに大層驚いたが、それでも、 「自分の掴んだ仕事なんだから、しっかりやりなさい。」 そう、背中を押してくれた。
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