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父は大手商社のエリート営業マン。
母は主婦。
そんなふたりの間に、俺は一人っ子として生まれた。
主に子育ては母の仕事。
父は仕事であちこち駆け回り、俺の子供時代のイベントには一切顔を出さなかった。
別に、そのことについて不満は抱いていなかったし、『イベントには母親が参加するもの』と、俺はそう思い込んで育ってきたので、周囲に負い目を感じたりすることも無かった。
母は、本当に俺を可愛がってくれた。欲しいものは大体買ってもらえたし、やってみたいと言ったことは大体やらせてもらえた。
不自由のない生活。
今思えば、俺の子供時代はそれだった。
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