親子酒。

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高校は、何とか3年で卒業できた。 出席はしていた。 早退が多く、教師の間で審査にもかけられたらしいが、成績が下がったとはいえ『人並み』の成績であった俺は、小論文を提出することで卒業できることとなった。 卒業式。 父は来なかった。 母は近日みないほどしっかりと化粧をし、和服まで来て俺の卒業式の姿を見に来た。 「卒業、おめでとう!」 無造作に俺が放り投げた卒業証書の入った筒を、大事そうに抱きしめて、そう言った母の満面の笑顔は、今でも忘れることはない。 しかし、父はやはり父だった。 母が広げた卒業証書には見向きもせず、卒業までに審査にかけられた俺の事を、 「この、恥さらしが」 と、罵った。 この瞬間、母が奮発して作った御馳走の味が、全て無くなったのを覚えている。
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