__阻止と生徒会

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それからディーク王子が生徒会について軽く話した後、表役員と裏役員に分かれて仕事内容を教えてもらう事になった。 リリアーナ達が二つ分前の席に移動するのを見送ってぎこちなく隣を見る。 早速二人にされて私の心は瀕死状態ですけど何か。 発表されないという大きなメリットにつられてしまったが、早まったかもしれない。 「かわいいね」 「可愛くないです」 「きれいだね」 「綺麗でもないです」 握られた手の甲をすりすり撫でられながら真顔で耐える。 良い感じに色気のある声だからダイレクトに耳を刺激されてぞわぞわが止まらない。 鳥肌製造機ほんとやめて。 つれないなぁ、なんて肩を竦めているシドさんを横目に溜め息を吐く。 「…それより仕事の事、教えてください」 このペースに乗せられたら危険だ。 何のために二人にされたのか考えてくれ。 少なくとも変な絡みをするためじゃない事だけは確かだ。 「ああ、…そうだね。ファニーちゃんは何が知りたい?」 「何が……とりあえず、裏役員の仕事は全部聞いておきたいんですけど」 逆に全部知っておかなくていいの?え、半端な仕事じゃダメだよね?いいの? ………え? シドさんが何を考えてそう言ったのかは知らないが、混乱するからやめてほしい。 「全部、ね。まず一言で表すなら、裏役員はスパイみたいなものだよ」 また色々脱線しそうだと思ったが、案外真面目な顔で口を開いたシドさんに瞬きを繰り返す。 …この人、こんな顔も出来るんだ。 ふざけた人だから意味深な顔しか出来ないのかと。 「えっと、スパイ、ですか」 「そう。表で働く彼らの指示を受けて情報を仕入れたり、裏でこっそり問題を解決したりするのが俺達の役目。学園内は勿論だけど、この国に関する事にも首を突っ込んでるよ」 ……くに?え、待って待って待って。 予想外に規模が大き過ぎて一瞬意識がフェードアウトしかけたんだけど。 ……え、ちょ、生徒会ですよね。ここ。 ただの!学園の!生徒会ですよね! たかが学生が何故国の事に関わってるの?どういうこと? 普通の生徒会だと甘く見てた私が悪いのか、この学園の生徒会という組織が可笑しいのか。 是非とも後者であってほしいものだ。 じゃないと私の中にある生徒会という概念がズタボロに崩れ去ってしまう。 「ははは、面白い冗談ですね」 「冗談じゃないよ、フェニーちゃん。国を纏めているのは王家だけど、支えているのは"生徒会"。昨日の強姦魔の事だってそう、俺が彼らに調査資料を渡されて、捕まえた。そういう仕事だよ、裏役員は」
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